日本よりも海外で理解者が多い福岡正信さん。
わら一本の革命、自然に還る、自然農法、緑の哲学、そして
無の123 など、福岡正信さんの書籍はこれまで何度も読んだ。
正直、全てが頭に入ってこない。
何度も伝えているメッセージで言えることは、「種を蒔きましょう」ということ。
いろんな種類の種をまけば、
環境にあったものや、生き残ったものが育ってくれる。
砂漠のような絶望的なところでさえ、緑豊かな、生き物が豊かな土壌も形成されていく。
種をまこう、
これが福岡正信さんが伝えたかったことの一つだろうと私は思う。
ただ、裸で種をまけば、虫に食べられたりする可能性も上がる。
そこで、何種類もの種を混ぜ、粘土団子状にしてばらまく。
そうすると、全ての種が育つわけではないかもしれないけど、
団子内で芽を生やし、虫に食べられる前に根をおろしていく。
多くの種類の種をまぜるのは、どれかが根を張り、
植物同士が協力しあって育っていくようだけど、
実際は自然のことなので、「わからない」ということだろう。
知識は無駄である、と無のシリーズでも何度も述べられている。
どのように育つ、どの植物が育つ、
この土壌だから、どれどれが育つ、などというのは、
まったくもって知識に頼っているとしか言わざるを得ないそうである。
わかるようでわからないのが自然。
科学的根拠など、今でも頼ることが多いかもしれないが、
それは人間だけの世界でのことだ。
わからないのが、自然。
福岡正信さんですら、自然はわからない、と言っている。
二年前から、私は粘土団子で野菜等の種まきをしている。
特に、春先、田植えシーズンにはいるころ、
トラクター等のタイヤから剥がれた粘土を道路上でひろい、
畑の土と混ぜる。
どんな種類の種を混ぜるのか、はじめは分からなかった。
自分なりの結論として、季節にあった野菜の種(蒔時の種)と
適当に集めたたくさんの野草の種を混ぜた。
非常に沢山の種を蒔くのが前提となるが、
小家族なら十分なほどのかぼちゃやゴーヤなどができた。
よくわからないけど、
たくさん、たくさんの種を粘土団子でまく。
そしてどれくらいが実るかわからないけど、
天に与えたもののうちの、ごく少量かもしれない。
ただ、実をつけてくれるものが、あったとき、
これ以上の喜びはない。