林尹夫 わがいのち 月妙に燃ゆ

林尹夫 わがいのち 月妙に燃ゆ

 

一戦没者学徒の手記

 

 戦争の本は多々あるが、もし、戦争について何かしりたいなら、

本人自らが書いた手記を読むといい。 大変貴重、是非、持ってほしい本の一つだ。

 

なぜなら、当時、起こっていたことに対する感情が生々しく感じられるからだ。

評論家や作家さんの本よりも、より深く戦争のことが学べる。

 

林尹夫さんの心の中を、見せてくれてるかのように、

思えてならない本だ。

 

本当にまだ若い、これからきっと楽しいことがあったろうに、読んでいて涙がでることもある。

 

林尹夫さんは京都帝国大学に通っていた。何度も出てくる読書の話からして、

勤勉家だと想像がつく。

 

ドイツ語やフランス語の本を原初で読むなど、勉強好きな

本当にやさしい人だったんだろうと思う。

 

戦時中でなければ、きっとどれだけ生き生きと活躍されていただろうか。

 

本当に残念でならない。 林尹夫さんのような方が、戦時中に戦闘機に乗って亡くなられた。

 

この本は、日記形式の本なので読みやすい。

 

読んでいて、ああ、林尹夫さんの本音がわかった箇所がある。

 

「ぼくが一番に望むのは、家に帰り、ゆっくり話をし、本を読み、飯をゆっくり食べ、

風呂のあとすぐ寝る。そして自分で決めた目標に向かい、勉強することだ。」

P107 引用

 

ここに平和を愛し、家庭を愛し、勉強似励み、日常を大事にする。そして、目標に向かって勉強する姿勢が見える。

 

この文章、読んだらきっと多くの人が、「俺もそうしたい」って思う気がする。

 

少なくとも私はそう思った。

 

考えてみると、今の時代なら、十分すぎるくらい可能である。

 

それなのになぜできないのかと言えば、

理由は簡単だ。

 

くだらない嫉妬や焦燥感などに

振り回されているからだ。

 

まだまだ、林尹夫さんの人柄が垣間見えるようなとことはある。

 

いや、この本のどのページの日記を読んでも、心から気持ちを吐き出している気がする。

 

戦争の時代、どんな心だったのか。

 

どんなことを見ていたのか、感じていたのか、

教科書や歴史書以上の、大変貴重な本である。 この手記、本当によく読んでしまう。

 

私にとって、なくてはならない貴重な本だ。

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