奈良漬け
今から6年ほど前、白瓜やかりもり瓜を自家栽培し、
奈良漬けを作った。
6年目に見ると、もう漆黒に近いような濃い茶色の奈良漬けになっていた。
クックパッドを始め、ネット上でいろいろな奈良漬けのレシピはあったが、
殆どが、長期熟成向けのものではなかった。
ここでは、最低3年以上の奈良漬けを作ろうとする方に向けて、
ポイントを整理してみようと思う。
大きく分けて、ポイントは以下の4点に尽きる。
1. 塩漬けは高濃度でする。
2. 塩漬け後、天日干しをする
3. しっかりと茶色になっている熟成酒粕を使用する。
4. 酒粕の入れ替えを必ず行う。
1. 塩漬けは高濃度でする。(瓜の重量に対して30−40%)
塩漬けは塩分を高めにすることで、食感を長期に渡って維持してくれる。
また、腐敗も防いでくれる。
間違っても減塩などはイメージしないこと
(酒粕の入れ替えによって、塩分は抜けていくのでしんぱいはいらない。)
2.天日干し
これは、思いつきで試したのだが、意外にも良い結果が得られた。
食感と風味が良くなった気がする。
それに、梅干しも天日干しすることから、
やってみる価値はある。
3. 熟成した茶色の酒粕を使う。
まだ白い酒粕を使うと、長期熟成奈良漬では腐ってしまう。
酒粕が腐る、なんて信じられないかもしれないが、私は実体験した。
白の酒粕はだめ、と軽く思っておくだけで十分だろう。
もちろん、良い品質の酒粕を手に入れることが大前提なので、
信頼できるところの酒粕を手に入れるのが大切だ。
4. 酒粕の入れ替えを必ず行う。
奈良漬けは、酒粕の入れ替えで塩分や糖分をゆっくり抜いていく。
そのため、濃い濃度の塩分でつけた瓜でも心配はいらない。
3ヶ月、6ヶ月、1年後など、数ヶ月の周期で酒粕の総入れ替えをする。
塩分を少なくしてつければ、即席のような奈良漬けはできる。
しかし、長期熟成用の奈良漬けには、高濃度の塩分でつけたものでまければならない。
なぜなら、酒粕で徐々に塩分をとっていくからだ。
ここで、塩分が少ないと、腐敗してしまう。
(奈良漬けの失敗、腐敗はかなりのショックなので、まずは塩分は高ければ失敗も少ない、と覚えておこう。 これは梅干しでも当てはまることだ。
奈良漬け、もし自家栽培で大量の白瓜やかりもり瓜ができるなら、
ぜひ長期熟成の奈良漬けにチャレンジしてほしい。
毎年実家に帰省するとき、
特別な食事のときにでも、きっと重宝するだろう。
長期熟成のものは、すぐにできるわけではない。
ましてや、市販のものは、徳島県の白瓜を使っていることが多いそうだ。
自家製の奈良漬けなら、
瓜でも愛着も湧くだろうから、他では買うことのできない、
大変貴重な本格的な奈良漬けを作ることができる。